雇用は企業経営に直結するー「人は資源」という考え方

企業経営と雇用について、現在は、新しい局面に到達しています。今までの正社員による完全雇用性が崩れ、代わりに非正規社員が多くなってきたからです。以前は、どんなことがあっても、雇用は経営者として守ってやらなければならない砦でしたが、現在では、雇用も一つの資源という形になっています。そのため、他の資源と同じように、いざとなったらコスト削減の対象となり、リストラをして節約した分、簡単に節約または利益を上げることができるところが便利になりました。

しかし、こうなった事でかえって経営者として昔よりも経営が大変、厳しくなった面があります。なぜなら、昔のように、長期雇用することで最低限の信頼や社員としての教育を確保できていたのですが、非正規社員ではある意味で対等な関係です。会社のために貢献するとか、忠義を尽くすということが前提ではなくなってきたからです。

つまり、昔のように従業員は全員仲間という時代は終わりました。絶えず、その場の従業員の士気を挙げて、短時間で成果を出させるような能力が求められるようになっています。つまり、企業の業績が悪くなっても一緒に考えて、ともに耐えて乗り切っていく従業員がいなくなってしまったということです。つまり、雇用問題の変化は企業経営の本質を変える大きな変化であることを忘れてはいけません。