製造業は産業別国内総生産の約2割を占めており、サービス業と共に日本経済を支える大きな産業となっています。アメリカ、ヨーロッパについで日本の製造業の歴史は長く、特に戦後70年で解決してきた環境問題やエネルギー問題のノウハウは、他の新興国にはない大きな優位性です。しかし現在、日本の製造業は厳しい状況下に置かれています。低コストで生産できる新興国の台頭や複雑な工程を必要としない製品の増加がその要因だといわれています。中でも大量生産型でライフサイクルの早い家電製品などは大きな打撃を受けているようです。事務機械や自動車、工作機械などの精密な構造を持った製品は複雑な工程のため日本のものづくりの力をアピールできる分野ではありますが、それに甘んじてはいけない状況です。複雑な構造物を現場の力で作り上げられるという強みを活かさなくてはいけません。

近年、製造業界はコスト削減のために人件費が抑えられる海外への工場移転を次々に行ってきました。しかしその国の人件費が上がると次の移転先を検討しなくてはいけない悪循環に陥り、長い目で見ると結局コストがかさむのでは、という見方もあります。そこで工場を国内に戻す動きも検討され始めました。

日本はこれから少子高齢化が加速し、労働人口の減少も危ぶまれています。このような状況だからこそ、コスト削減だけを意識したものづくりの考え方を変えていく必要があります。製造業従事者を増やし、技術の継承をスムーズに行うためには、労働者が働きやすい環境を作ることも大切です。例えば工場専門の求人サイトを運営している日本マニュファクチャリングサービスでは、正社員として働ける求人のみを用意しています。契約更新を気にしながら働く必要もありませんし、当然ながら福利厚生制度もきちんと整えられているので長く工場勤務を続けられ、ものづくりにしっかりと携わることができます。こちらのように、労働人口を確保するための企業努力は今後も欠かせません。