エネルギーの大きな部分を占める石油は、採掘された原油を精製しています。気になるのは、原料となる原油の枯渇です。1990年代ごろには、後30年で原油が枯渇すると言われていましたが、30年近くなった今でも原油は採掘され続けています。なぜ原油は採掘され続けているのでしょうか。
原油を採掘できる可採年数は、現在の時点で採掘可能な埋蔵量を、その年度の生産量で割ることで算出されています。つまり、世界の全埋蔵量が100あったとして、今年度に10の採掘量した場合、可採年数はあと10年ということになります。しかし、実際には、世界には確認されていない原油が埋蔵されており、年々新しい油田が発見されていることが、原油が採掘され続けている理由です。
また、この埋蔵量は各国政府の自己申告です。原油算出国のなかには、原油産業が国家経済に占める割合が大きいことから、政治的な理由による過大報告や過小報告もありえます。これらの事情により埋蔵量が年々上昇しており、2012年末時点で約1兆6,689億バレルに達しています。1日に使われる原油の量が、2010年で約8700万バレルなので、年間にすると317億5500万バレルになり、約52年分の埋蔵量があることになります。